不起訴には被疑者の嫌疑がない、又は不十分な場合と、情状等から検察官が裁量により起訴猶予とする場合があります。いずれを主張するにも法律の専門家たる弁護士の力が必要です。
不起訴となる理由
被疑者を起訴するか不起訴とするかを決定する権限は検察官だけが持っています。
不起訴となるのは①捜査の結果、被疑者に対する犯罪の疑いが晴れた場合(嫌疑なし)、②捜査の結果、犯罪の疑いはあるが、裁判において有罪を証明することが困難だと判断した場合(嫌疑不十分)、③有罪の証明が可能であっても、被疑者の境遇や犯罪の軽重、犯罪後の状況を鑑みて、検察官の裁量によって不起訴とする場合(起訴猶予)の3つの場合があります。
不起訴のメリット
不起訴処分となれば、刑事手続きが終了して身体拘束から解放され、元の日常生活に戻ることができます。
そして何より不起訴となれば前科がつきません。そのため前科調書への記録や、特定の資格への制約といった不利益の心配もなくなります。また、逮捕されたことによる会社や学校からの処分が減免される可能性があります。
不起訴処分を得るためには
自白事件(容疑を認めている事件)の場合には、起訴猶予を目標として、被害が軽く犯罪行為の態様も悪質でなく、本人も反省していること等を検察官に伝えて情状をよくし、起訴価値がない、低いことをアピールします。
特定の被害者がいる親告罪(告訴がなければ公訴を提起することができない犯罪)であれば示談をして告訴を取り下げてもらいます。
否認事件(容疑を認めていない事件)の場合は、嫌疑不十分を目標としてアリバイ等を証明します。
いずれの場合にも法律の専門家である弁護士の選任が不可欠です。
前科 | 身体拘束 | |
---|---|---|
不起訴になる | つかない | すぐに解放 |
不起訴にならない | 前科がついてしまうおそれあり | 裁判中拘束が続くおそれあり |